EPOCを活用したトレーニングの実施の仕方2

 EPOCのデータを元により、個人の効果的なトレーニング強度を数値化することに成功した(EPOC1参照:http://marathonhack.com/epoc1)。次にトレーニングを計画する段階で、トレーニングの強度(EPOC)を予測することが可能か検証を実施した。

使用した機器:Garmin745、ハートレートセンサー

1.EPOC Fomulaの開発

①EPOC=運動強度(VO2maxの何%のペースで走ったか:VO2max%)×時間で算出されると仮定した。(図1)*1

②VO2max pace(vVO2max)は5㎞の走力(タイム)から決定できるとした(図2)*2

図2vVO2max の推定

 以上から、5kmの走力がわかれば、あるペースである距離を走った時のEPOCの推測が可能であると考え、計算式=EPOC formulaを作成した。 

2. EPOC formulaの検証

 2022/4/30に記録会に出場し、5000m16’59(実測)であった。5㎞の走力(タイム)を16’59として前後2週間の高強度トレーニングに関して、EPOC formulaを用いて予測値を算出した。予測値と実際にGarmin745により算出されたEPOCとの比較を実施した(図3)。

図3.予測値と実測値の比較

 以上より、強度の強い練習に対して、EPOC Fomulaを用いて実用的な精度(R2=0.8718)のEPOCの予測が可能となった。

EPOC formulaの精度の限界
 EPOC=運動強度×時間 と仮定し作成している。VO2max%が低くなるとEPOCの蓄積が直線的増加していかなくなる為に誤差が大きくなる。よって、ジョギングペース(60%VO2未満)での予測の精度には限界がある。

3.結論

・トレーニングを計画する段階で、強度の高い練習(60%VO2以上)に関してトレーニングの強度(EPOC)を予測することがEPOC Fomulaを用いて可能となった。

参考文献                                           *1:Indirect EPOC Prediction Method Based on Heart Rate Measurement 
 White Paper by Firstbeat Technologies Ltd. Published: May 2005. Last update: March 2012
*2:https://www.mcmillanrunning.com